kayagreenが設計するお庭は空気の美味しいお庭です。
農薬や化成肥料を持ち込まず、できる限り舗装はせず、光合成により、酸素を沢山お家の周りに発生させ、夏場のヒートアイランド現象にも対応します。
さて、ではそんな私たちが造ろうとしてるエコアパートの室内はどうなんでしょうか?
エコアパートの建築設計をお願いしているお家の専門家、
エコやbaobab建築設計研究室の山田知平さんのお話しです。
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さて、今日のテーマは、
室内環境汚染
です。
お部屋の空気が、
汚れるのはお分かりになりますよね。
湿気や臭気、ホコリに化学物質などが考えれます。
換気等で、フレッシュエアと置換(※1)することが改善には有効ですが、
ここでは、発生源を特定しておきましょう。
まずは、燃焼器等からの汚染です。
コンロ・オーブン・ストーブ・湯沸器等です。
燃焼により、湿気や臭気が拡散します。
最も怖いのは、不完全燃焼から一酸化炭素(※2)が発生し死亡事故がおこります。
ガス燃焼器の使用は換気し、外気の取り込みが必要なります。
また、お湯やお水を使用する場所である調理や浴室、トイレなども
蒸気や湿気、臭気等で、空気を汚す可能性があり、換気扇を上手に使用する必要があります。
換気経路も重要です。どこで吸気し、どこからは排気するか。
窓などとも位置関係も検討事項となります。
ホコリとダニは、まめにお掃除と通気をこころがけてください。
殺菌や除菌を薬剤を使用してまで行うことはおすすめできません。
彼らが生息しにくいように環境を整えるぐらいで充分では無いでしょうか。
そして、最も厄介なのが、建材や家具から揮発する
VOC(揮発性有機化合物)(※3)による汚染です。
施工のときに使用されたり、建材に使用されている、
接着剤・塗料・防虫剤・防カビ剤などなどから、
毒性のもが出ているのはご存知でしょうか。
発がん性物質や農薬、環境ホルモン(※4)など、
恐ろしいものがお部屋に存在しているのです。
平成15年に施行された、建築基準法でのシックハウス対策係る法令(※5)で、
シックハウスは、解決したのに、何を言っているの?
はたして、そうなのでしょうか?
この法案で、規制された化学物質はたった2物質だけ!
それ以外の化学物質については、何の規制もされていません。
これを持って、住宅内の環境は安全と判断されるのであれば、
原発のなどは、安全そのものでしょう?
数多ある化学物質に基準値を示し管理できないので、
24時間換気をしなさい。と、決めたのです。
安全ですか?
ホルムアルデヒドだけを悪者にし、
魔女裁判で終わりにしてしまったのです。
解決などしていません!
その証拠に、私のところには多くの相談や改善策のお問合せがあります。
安全は、自らの手で勝ち取らなければ、
微量に暴露を続けると、取り返しのつかない状態になりかもしれません。
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いわゆるシックハウス症候群の事でしょうか?
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今は、病名として認知されていますが、
私が始めてこの病気(?)とであったのは、17.18年ぐらい前になるでしょうか。
輸入住宅の商談でワシントン州の通商部の招きで視察に訪れた時、
この建材は、安全ですよ!シックビルディング(※1)に対応しています。
と、州のお役人が説明を加えてくれました。
安全な建材!
そうすると、建材は危険なんや!
えー!
安全な建材って何なんや!
との疑問から、私の長い道程が始まりました。
その頃、日本で住宅の室内環境に警鐘を鳴らしていた人たちが、
本当に僅かでしたが、活動をされていました。
実務者、研究者、医師、環境活動家などなど。
その方々に、帰国後直ぐに会いにいきました。
それはそれは、知れば知るほど怖くなる内容でした。
じゃあ、自分に何が出来るのか?
危険な建材を使用せずに住宅は建てれるんやろか?
えーい!やったれ!危険な建材を使わずに建てたらええねん!(※2)簡単な事や!
「無知の知」の第一歩でした。
そこから、多くのものを貪欲に学び、吸収し、
あらゆることに挑戦し、失敗や挫折を繰り返しました。
相談やお願いをしても、
笑われたり、馬鹿にされることもしばしばでした。
今では、一つのカテゴリーとして自然素材住宅は存在しますが、
私が、危険なものを(住宅内に)持込まず、
安全で、安心な自然素材を使用して住宅を建てる。
と、言っていた時は、「おかしな人」と一言で片付けれていました。
でも、私には信念がありました。絶対建てれる!
新建材等が世に出る前にも、住宅はありました。
その知恵を継承し、現在求められる、安心・安全と快適を
盛込んでいき、アレンジできれば、家族を守れるシェルターとしての
住まいが完成することを確信していました。
多くのシックハウス症候群の患者さんの住宅を手がけたり、お手伝いをしてまいりました。
窮状をお聞きするにつけ、私も一緒に戦ってきたつもりです。
その経験や失敗が、快適な空間を造れる礎になっています。
自信を持ってご提供させて頂いている、心地良い空間は、
何ものにもかえられない、安全と安心を備え持っているからなのです。
シックビルディング症候群(※1)
1970年代にオイルショックが起こり、欧米で冷暖房を節約するために、建築物の省エネルギー化が進められました。
具体的には、オフィスビルにおいて冷暖房のエネルギー消費を抑制するために換気の割合(外気との入れ替え)を
減らしたということです。その後、このように外気の取入量を減らしたオフィスビルで働いている人たちが、めまい、吐き気、頭痛、
目・鼻・喉の痛みなど体の不調を訴え、苦情が多数出始めました。このように「シックビルディング症候群」Sick Building Syndrome(SBS)とは、
その建物の中で過ごすことによって、健康障害を引き起こすことをいいます。
危険な建材を使わずに建てたらええねん!(※2)
エコやBAOBABが約束すること(抜粋)
合成化学物質の前面排除に最大限努力します。
素材を厳選することはもちろん、建築現場の管理や施工方法に細心の注意を払っています。
合板や集成材を含め、接着剤が使用された建材の使用はほぼゼロです。
ほんのわずか、施工時の接着剤やプラスチック製品(配管など)も使いますが、その内容について確実にお客様にご説明します。
一般的に合板が現場の養生材として使われていますが、合板を一切現場に持ち込まないようにしています。
化学物質の濃度測定を行い、さらに健康的な住まいの研究に取り組んでいます。
私の実家は、戦前に建てられた住宅でした。
強靭で、落ち着いた雰囲気の心地良い住まいでした。
小学2年生の時に、私が生まれるずっと前に伯母が使っていた部屋を
子ども部屋に改装してくれました。
ビニールクロスの真新しい部屋に生まれ変わったのですが、
思い起こせば、そのころ私は喘息で苦しんでいました。
今となっては、因果関係は判りませんが、
原因が室内環境汚染にあったことは、間違いありません。
小さなお子様や奥様の被害に遭われることが最も多いのです。
出来れば、避けて通りたいですね
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私の実家も築100年の古民家ですが、母が嫁入りするのをきっかけに改装をしました。
キッチンの床にビニールシートを敷き、量販店で接着剤だらけの家具を買い、漆喰の外壁を合板で囲ってしまいました。
結果、私と妹、弟は小児喘息を発症しました。
因果関係はわかりませんが、要因の一つだと思っています。
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建材には歓迎できない物質が含まれているんだ。
と、なんとなくお気付きになりましたか。
私、山田が、創業当時から悪戦苦闘を繰り返してきていますが、
自らの目で確かめることが出来る安全な建材のみで住宅を建てることが、
こんなに苦労することだとは思いませんでした。
業界全体で、建材や工法、法令までもが、
工業製品等の使用を前提としたものになっています。
このような状態では、シックハウス症候群は少なくならないだろうと思っています。
その頃、旧厚生省が、室内の化学物質の基準値を決める為に動いていました。(※1)
それを受けて、日本建築学会が研究(※2)を進めており、
興味深いデーターや論文が数多く発表されましたが、
建築基準法が改正され、規制されたのは2物質(※3)のみとの結果でした。
その改正された現行法により、今の住宅の建築は進められています。
怖いですね。
では、あなたの住宅内を観察してみましょう。
一番大きな面積を占めているのが、壁紙。
その主流となるのが、ビニルクロスです。
高額な住宅を訪れても、依然としてビニルクロスはいたるところに貼られています。
環境配慮タイプなどと消費者マインドをくすぐる商品もありますが、
ポリ塩化ビニル樹脂を主に、可塑剤、防カビ剤、安定剤、発泡剤、難燃剤の添加物(※4)で作られています。
その毒性についての説明は、今回控えておきます。
また、クロスの施行は、クロス糊を使って貼っていきます。
でんぷん糊と説明があっても、防カビ剤、抗菌剤が使われています。
ご注意下さい。
次は、床材です。
ほとんどの床は、0.2mm程度の無垢の木を15mmの合板に貼り付けた
合板フローリングにウレタン塗装を施してものが大半ではないでしょうか。
チョコレート大好きの私は、チョコだと口入れると、
中がクッキーやキャラメルだったりして、がっかりするのに似てますね。(?)
合板の場合、法改正で接着剤のホルムアルデヒドのみの規制値は出来ました。
(これで解決したわけではありませんが、・・。)
合板は、これ以外に、防虫処理を施す規格があります。
ホウ酸か有機リン系殺虫剤を合板に吸収させる決りになっています。
農薬を含んでいるのです。
上記同様、毒性についてはここでは述べません。
二ヶ所、例にとっただけでこれ以上は、別の機会にしたいと思います。
かなり重い内容です。まだまだ、数え上げれば書ききれません。
一般的に新建材と呼ばれるものは、元来自然素材の部材が使われていたところを、
施工性、経済性を重視した結果、工業製品で家造りをすることに変化していったのです。
工業製品を現場で組み上げるのが今の家作りになっています。
その土地と住まい手のために、熟練の職人(技術者)たちが
オンリーワンを作っていくものではなくなってしまったようです。
その副産物として、化学物質てんこ盛りの住宅がたくさんできてしまいました。
近年、高断熱、高気密の精度が向上しています。
住宅内は、ガス室になってしまっているのです。
どう考えても、解決はしていません。
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わー!
知らない間にシックハウス症候群になっちゃうかもしれないんですねー!
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今回は、私どもがお住まいの改善をお手伝いさせていただいた
化学物質過敏症のお客様の家造りの物語をいたします。
平成15年の2月初旬。まだ雪の残る岡山県北部山林の林道を分け入り、
最後の人家を尻目に、新雪の道を突き進む。車もここまでという所で、
車を乗り捨て、雪を踏締め歩いて山中へ。保安林の雑木林を通り抜け、
貯水池のほとりに、エスキモー顔負けのいでたちのAさんを確認。声をかける。
化学物質過敏症であるAさんとの、いつもの待合せ兼打合せ場所です。
Aさんは、神戸で震災を経験後、大手ハウスメーカーで新築を建築し、
シックハウス症候群を発病。震災にて多くの建築廃材などの粉塵を吸い、
止めに新築の化学物質の暴露により露呈したと、自らを診断。
多くの医療機関を巡り検査と受診を繰り返し、
北里大学等で、化学物質過敏症であると診断されました。
それからの数年、避難地を求め、避難施設等を全国を転々とし、
現在の山小屋に家族とは別にお一人で移り住みました。そして、避難して数日、
その安住の地から150mの作業場で椎茸の原木の製造が始まり、朝9時から午後5時まで、
チェンソーや運搬用のトラックが行き交うようになり、その排ガスにより、
昼間は家に居ることが出来ず、山中に篭もり、雑木林にて一日を過ごしているのです。
その冬の寒さは厳しく、この激冬を、屋外で過ごす。
また、その避難地は、神戸から行く私には、
山間部の寒さは想像を絶し、寒修行に近いものでした。
しかし、この場所の方が他よりマシであるからここにいるのです。
一度、打合せで大工の棟梁と一緒に打合せに伺ったことがあります。
途中で不安な顔つきになり、山中には入らず、
『こんなところに人が待ってる訳が無い!』と、
私を睨み付けたことを思い出します。冷静に考えると尤もです。
世に供給されている住宅というものが病気を引き起こす要因になっている。
そのことを自覚して住宅を建築している業者がどれだけいるのか、情けなくなるのが現状です。
Aさんが、更に安らげる空間を求め、家造りの依頼をいただき、
一年余り、相談や打ち合わせ、土地選びなどをお手伝いし、
山小屋から、さらに20km程度車を走らせた山奥に土地を探し当てました。
ただ、何もかもAさんの条件が整う場所はありませんでした。
しかし、身体的に許せる範囲で妥協し、精神の安らげる空間を建築することに注力をしました。
土地が決ってからは、建材一つ一つを双方で検証し、住まい方をプランニングしていき、
施工法や加工法、搬入等経路や手段も綿密に調整していきました。
振り返れば、たくさんの難問をクリアしてきたと思います。
言える事は、安らげる空間に転居後、
Aさんからのお電話の声が明るくなり、
お元気に暮らされているのが伝わってきます。
家を建てると言うことは、いつも夢や希望が
満ち溢れていると思います。
その家が、住まい手を、傷つけたり、苦しめたりすることは、
悲しすぎるのと思うのです。
化学物質過敏症(※1)
非常に微量のある種の化学物質を長期の暴露によって健康被害が引き起こされる。
人体の薬物や化学物質に対する許容量を一定以上超えると引き起こされるとされており、
個人差が大きいといわれる。化学物質の摂取許容量と同様に、発症原因および症状、
その進行・回復速度や度合いも多種多様であるといわれる。
新築あるいは改築した住宅で発症するシックハウス症候群の悪化により生じる場合もある。
この原文は、数年前に環境NGO日本子孫基金の
機関誌『食品と暮らしの安全』に寄稿した文章です。
ただ、編集長の小若順一さんから、衝撃的なんで
載せるのは別の内容のものにすると言われました。
その当時、その機関誌で連載(シックハウスから身を守る)
を持っていたのですが、ボツになったのは、これだけです。
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信じられないお話しですが、シックハウス症候群って本当に怖い病気なんですね・・・。
健康に配慮するにも住む家って本当に考えて選ばないと大変なんだと痛感しました。(の)